金沢大学理工学域数物科学類 物理学発展プログラム

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金沢大学 理工学域 数物科学類 物理学発展プログラム

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研究グループ

低温物理学

 

低温物理学グループは、3He-4He希釈冷凍機と超伝導磁石による銅一段核断熱消磁冷却装置により マイクロケルビン領域の超低温を発生し、超流動3He、重い電子系物質の量子相転移・臨界現象、希土類 Pr 化合物の 核磁性の研究などを行っています。このような温度領域での物理学を研究できる研究室は世界でも限られています。  ミリケルビンからケルビン程度の極低温においても、3He-4He希釈冷凍機や3He冷凍機、15T超伝導磁石等を用い、量子流体固体である4He について多孔質中での超流動現象の研究や、磁性体などの比熱・帯磁率・熱膨張・磁歪、超音波測定などによる量子相転移の研究を行っています。 また、低温工学の研究として磁性体の磁気熱量効果を利用した磁気冷凍を研究し、1 Kレベルから室温付近 までの広い温度範囲で各種磁性体について磁気・熱測定により磁気熱量効果の研究と磁性材料の開発を進め、磁気冷凍装 置の開発も行っています。


ナノ物理学

 

新機能を持った 走査型プローブ顕微鏡(走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM) など)を開発するとともに、新たなナノ 物性評価手法を開拓して、試料表面の原子スケール観察・解析を行っています。「固体表面で原子がどう配列し、どう 反応するのか?」という基礎科学から、「原子・分子を組み立てて新たな量子効果デバイスを作る」という応用研究(ボ トムアップナノテクノロジー)まで、未踏研究にチャレンジしています。


プラズマ物理学


当研究室ではプラズマの基本的物性を観測する研究をおこなっています。やっていることはおもに2つ。電 子ピームとプラズマの相互作用の実験(CALM2)と, 宇宙科学研究所との共同研究でやっているJAXA-CUSP実 験です。


分子物理学


有機分子の構造や性質が、単体の場合と水素結合分子錯体を形成した場合にどのように変化 していくのかを実験的に明らかにすることで、水溶液中での分子の物理化学的性質や挙動をミクロな視点から解明す ることを目的としています。


生物物理学

 

原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy: AFM)というナノメータースケールで物質表面の構造 解析が出来る顕微鏡装置を用い、高速にイメージングする高速AFM技術を開発してきました。高速AFMを用いて様々 なタンパク質が機能している様子のダイナミクスを観察し、構造ダイナミクスの観点からタンパク質の機能発現の機構 を研究しています。また、高速AFMと他手法との融合などの技術開発や、細胞やオルガネラの表面構造を非接触で観察できる走査型イオン伝導顕微鏡(Scanning Ion-Conductance Microscopy: SICM)の高速化とその応用研究にも取り組んでいます。


宇宙物理学

 

宇宙物理学研究室では,人工衛星に搭載するX線・ガンマ線観測装置を開発し,それを使って,初期宇宙や構造形成 についての研究を観測的に進めています。2010年にはガンマ線バースト用偏光観測装置をソーラセイルIKAROSに搭 載し,ガンマ線バーストの偏光を捉えることに成功しました。2015年度には,JAXAやNASAと協力して開発を進めてき た極低温動作の超精密X線分光装置がASTRO-H衛星に搭載されて打ち上げられる予定です。さらにその先を見据え た小型衛星計画の立案や搭載機器の基礎開発も進めています。また,Suzaku衛星/Swift衛星/Fermi衛星等の人工衛 星で取得したデータを解析して,天体物理学や宇宙論の研究を行なっています。理学・工学のグループ共同で,50kg 級の小型衛星の開発を利用した教育を展開していく予定です。


非線形物理学

 

非線形現象のうち、(1)格子中の非線形局在、(2)非中性電子ビームが生成する渦などのパターン形成、また、あるい は様々な応用が考えられる(3)テラヘルツ光源の開発を実験とシミュレーションを用いて行っています。(1)格子中の 非線形局在ではマイクロメカニカルシステムや、電気回路を用いた格子、あるいは自然結晶が研究の対象です。(2) 電子ビームを用いた研究では、渦生成のメカニズム研究や応用研究としてビーム圧縮といったテーマに取り組んで います。(3)テラヘルツに関する研究では、電子ビームを用いたテラヘルツ発生、レーザーや分光器と組み合わせた 研究に取り組んでいます。


素粒子・宇宙・理論物理

 

2012年、ヨーロッパの加速器実験施設LHCでヒッグス粒子が発見され、素粒子標準模型は確立しました。標準模型で は説明できないがその存在が確実な、ニュートリノの質量、宇宙の大半を占めるダークマター、ダークエネルギーの正 体をさぐる研究を行っています。また、素粒子を記述する場の理論の定式化として、無限多重積分で表現する経路積 分の方法があります。この積分をスーパーコンピュータを使ってモンテカルロ法などによる数値シミュレーションによっ て計算し、私たちの世界を作っている強い相互作用(QCD)の研究を進めています。更に、もっと一般に、統計力学、量 子力学において、くりこみ群と呼ばれる非常に応用範囲の広い方法を研究し、数学的な新しい潮流とも交流しながら、 相転移、量子摩擦などの理論的な課題に取り組んでいます。


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